伝統的茅葺木造住宅の解体

春らしくなってまいりました!

(写真は武雄市内を流れる六角川沿い堤防にて)

(おとなり嬉野市にて見積もり中に撮影・・さぼってません!)

別れや出会いの季節とも言いますが、やはり冬の間眠るように力を貯めた植物たちも一斉に愛を叫ぶかのように花咲き、緑に包まれるさまは見るこちらとしてもつい、浮かれちゃいますね。

今回はおとなり鹿島市にて茅葺家屋の解体をおこないました。

昨今は少なくなった茅葺のお家ですが、造りが見事で上空から見ると「コ型」に見える佐賀県には多い形式の「くど造り」でした。

写真がうまく撮れてない・・

施主様から伺った話によると元々の部分はおそらく築300年近く経過しているとの事。

現在の建物と根本的に違う所は桁の前に梁を建てこんでいるのが古い建物の特徴です。

(上の写真で見ると漆喰壁から梁の小口が見えててその上に桁がのっています)

当時は現在のような建築金物もありませんので組木にて建築したからだと思います。

(小屋組みに使用されていた木材。囲炉裏か竈からのススで真っ黒)

現在では室内の「囲炉裏」や「竈」を使用しなくなったため燻すことが無くなり腐敗しやすく、茅葺に使用する「すすき」や「チガヤ」の生育場所が無くなり葺き替えサイクルが維持できない事が管理上の問題となってきています。

今回の解体では施主様の残せて使える部材があれば新しい家に使いたいとゆう要望もあり「葺材」と「梁」、「床框」を生かし取りしました。

(生かし取りした葺材。建替える家は瓦葺きなので古民家再生や重要文化財の建物の管理に使用されるとの事)

家屋の解体をしていると正直、もったいない家だな~と思う事も多々ありますが、形が変わっても新しい家でまた家族の暮らしを支えてくれる時はうれしい限りです。