危険家屋の闇

目 次

時は5月。気温的には過ごしやすいですが暑さ、
湿度上昇に吊られて虫達の息吹も多く感じれるようになってきました。
こういった時期に見かけるのは羽蟻さん。
なかにはシロアリの場合もあるので家で見つけた場合は注意が必要ですね。
( ;∀;){ちなみにシロアリはゴキブリの仲間です。

今回は武雄で放置されたままになり、危険家屋になった空き家のお話。
長く放置されてると空気の流れがないため虫が湧きやすく、飛躍的に老朽化が進みます。
倒壊等のおそれがある「特定空家等」へ認定、補助をうけて解体した流れを追っていきます!
 

近隣住民から市へ相談

近所に何年も空き家で荒れてきたり、屋根が陥没し瓦が落ちそうな物件はありませんか?
倒壊・不審火など近所に管理されない空家があると心配です。

子供が入って遊ばないか?
通学中に瓦が落ちてこないか?
台風の際に崩れて倒れるかも?

実際に事故が発生した場合は所有者へ賠償責任の可能性があります。

※今にも瓦が落ちそうな屋根

こういった場合は市役所へ相談に行かれると、担当部署が動き始めます。
所有者側も遺産相続のバタバタで把握されてない場合もあるようですが、
そんなある日一枚のお手紙がやってきます。

これは実際に武雄市から送ってきた危険家屋の改善依頼。
所有者様は熊本在住で土地建物がある事は知っていたけど、
祖母(高齢者施設入居)の名義になって放置しているとは知らなかったそうです。
 

立入調査実施

一番下にご注目!
強制力のある調査になります。
なぜ調査するのか?
平成27年に空家等対策特別措置法が施行されました。
この法律によるところの「特定空家等」に認定されると、

  • 行政による代執行の際には代執行に要した一切の費用が請求される
  • 固定資産税の特例適用外

要は「特定空家等」に認定され、放置するとお金がかかります!
 

助言・指導

「特定空家等」に判断された場合、自治体から

  1. 助言または指導
  2. 勧告
  3. 命令
  4. 代執行

の順番で行政措置が行われます。
最後の「代執行」までいった場合は通常より多額の金額請求があるそうです。

今回のケースでは最初の「助言・指導」段階で自治体と解決策を模索して解決へ進んでいきます。
 

特定空家等除却事業費補助金

降って沸いたような出費にすぐ応えれる懐具合の方は少ないかと思います。
地域によって補助金の内容に差があるやもしれませんので今回は武雄市の場合です。

要は

  • 低所得者しか使えない
  • 木造建築物のみ
  • 地元業者使いなさいよ
  • 解体に必要な費用のみで上限50万円

使用にあたって一番のポイントは市町村民税の非課税世帯であること。
今回のケースでは施主様は同居する奥様共に年金暮らしのため、
市町村民税非課税世帯となり補助対象となれました。

つまり一般の現役世代の多くは使用できませんので全額実費となります。
 

武雄市危険空き家除去事業費補助金

ないのかなー?思って調べると普通にありました!
一般の現役世代の方でも利用可能です。
↓↓↓↓↓↓↓↓
補助金詳細

こちらは一般の方で上限が20万円です。
ここでの詳細は割愛させていただきます♡
 

解体工事着工

必要書類を提出後に着工です。
補助金受給工事の場合は写真提出が必須になります。
基本は工事前・工事中・完了後で四方から全体を撮影できていればOKです。

工事前(奥の家へ向かう道沿いに屋根瓦が転落している)

解体中

この現場は白蟻もいましたが、屋根が崩落。
床も抜けて生活残存物と廃材が混ざり、普通の分別解体が不可能でした。
家屋内の立入が危険だったため俗に云うMIX解体をおこない、
この状態から手分別をおこないました。

※通常の倍の人件費費がかかります。

完了後(着工から12日で完了しました。)

 

まとめ

今回の場合は解体するためには比較的に条件が良かったと思います。
しかし物件自体は接道がなく解体した後の土地活用が難しい現況のため、
以後の固定資産税が上がるのであれば維持は苦しいと思われます。

基本的には空家を放置しない、土地を活用するとゆう前提があっての空家対策ですが、
現状は代執行される事を回避さえすれば放置する方が費用負担は少ないのかも?しれません。
もし、事故が起きれば莫大な賠償金を負うことになるのに恐ろしいなぁと思うばかりです。

土地活用に関して更なる規制緩和、優遇措置でもなければ空家問題は無くならないどころか
これから更に深刻となっていく危惧を感じます。

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